2度目以降の切り出し

《微調整法》


毛が摩耗して形が悪くなってきたら毛先を付け直しましょう。毛の根本がきれいで良い状態ならば、ノコギリで根本から切り落とさなくても大丈夫かもしれません。毛の根本の木板を少し剥いで、毛先の摩耗した部分のみを削いで調整する方法を紹介します。

①毛足を長くする

根元の木を少し剥ぎ毛足を長くします。
これから揃っていない毛先部分を切りおとすので、その分だけ少し長めに毛足を出してください。

②根本をほぐして洗う

仕立て方(使いはじめ)の③④と同様に、出した毛足の固まっている部分をほぐします。

③毛先の形をつくる

毛先を水で濡らし、よく研いだ切り出し刀などを使って削ぎ、毛先の形を整えていきます。毛が寝るくらい水を含ませたほうが思い通りに整形しやすいです。毛先に向かって少しずつ削いでいきます。
このとき一方向(細い矢印)にだけ刃を動かしていては厚みのバランスの悪い刷毛になります。刷毛の両端部分の毛は刃から逃げやすいので、太い矢印方向にも刃を動かして、端の毛もしっかり削いでください。

④毛先を切り揃える

毛先をまっすぐに切りそろえます。切り出し刀でも良いですが、あればカンナの刃を当てて切るとうまくできます。
このとき、先ほどの工程でちゃんと毛の両端を薄く削げていないと、両端に狐の耳のように毛が出てしまいます!(↓写真上)。程よく削げていると、あまり出ません(↓写真下)。

耳が出た分は、先ほどのように切り出し刀で外側に向かって刃を動かして削いで下さい。

バランス良くなりました!

刷毛を真上から見てみましょう。両端(赤丸部分)が厚くなっていませんか?全体の厚みが一定になっていればOK!
仕立て方(使いはじめ)の⑥と同様にきれいに洗ったら、完成です!

↓③④の工程の動画です。

Youtube のコンテンツは現在の Cookie 設定では表示されません。"コンテンツを見る"を選択し、Youtube の Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Youtube のプライバシーポリシーをご確認ください。Cookie の利用は、Cookie 設定からいつでも変更できます.

コンテンツを見る

これはあくまでも基本の形です。塗る物によっては、毛耳が出ていたり、逆に毛耳を短くして丸みをおびた毛先にした形が合っているかもしれません。形やボリュームをいろいろ変えて、自分の塗りやすい形を見つけてみてください。