仕立て方(使いはじめ・切り落とし法)

①板を剥ぐ

つけたい毛先の長さよりも少し長めの位置からノコギリで刷毛の木板部分にだけ切り込みを入れ、板を剥ぎます。このとき、木の薄皮一枚残すつもりで切って、あとからきれいに取り除くようにすれば毛を切らずに済みます。

角度はお好みで。毛に対して垂直よりほんの少し斜めに切ると、塗るときにキワまで毛が届いて何かと便利です。

切った木板の小口部分(木板と毛板の境の段差になった部分)は、以降の作業で邪魔になるので切り出し刀で斜めに削ぎ切ります。
まだ側面のミミ部分の木は切りません。

②毛先をつける

よく研いだ刃物で毛先をつけます。この段階できれいな穂先の形になっているに越したことはないですが、ほぐしてからでも調整できる(むしろほぐしてからの調整が大切)ので神経質にならなくて全然、大丈夫です。
動画ではカンナの刃で切るやり方をご紹介します。

③耳をとる

側面の耳をとります。毛を切らないよう気をつけてください。

④毛をほぐす

木の台の上で、プラスチックハンマー※を使って叩くと毛が傷みにくくておすすめです。

毛と木の境を台のヘリにひっかけ、ハンマーで端から徐々に叩いていきます。だんだん全体がほぐれてきたら、台のヘリでしごきます。これを繰り返し、根元までしっかりほぐします。まだあまりほぐれていないうちにヘリで無理やりしごくと毛が折れてしまうので注意してください。

毛先を撫でてみて、パリパリと毛の塊が当たるときは、毛板同士を接着している糊漆がまだ壊しきれていません。感触が柔らかくなるまでタンタンと叩いてください。
最後に台のヘリでよくしごき、糊漆の粉をよく出してあげると次の洗いの作業が楽です。

※弊工房では刷毛ほぐしだけでなく、全ての作業にこちらのプラスチックハンマーを使用しています。作業全般と大きい刷毛のほぐしにはサイズ1を、小ぶりの刷毛ほぐしにはサイズ1/2を使用しています。どちらもあると便利ですが、まず一寸以下の刷毛ほぐしだけに使うなら1/2がおすすめです。

⑤のり洗い

のりを含ませ、ヘラで突き洗いします。のりは、糊漆の粉をからめとる役割なので、ある程度粘度のあるものならなんでも構いません。洗剤やシャンプーでも良いかもしれません。茶色い色が出なくなったら流水でよく洗います。

⑥毛先の調整

軽く水気をきります。少し濡れた状態で、よく研いだ刃物を使って、叩いて少し痛んだ毛の表面をそっと削いでいきます。毛のボリュームや形など細かい部分はこのとき調整できます。

この作業をカンナの刃や塗師刀などの大ぶりの刃物でやろうとすると、刃を当てたとき毛を押し開いてしまって歪んだ形に切れてしまいます。切り出し刀やカミソリのような細くて軽い刃物が向いています。

再び洗い、よく乾かしたら…完成です!!

↓写真ではあまり濡れてませんが、もっと濡らしてください。