並本通し

ビギナーからプロまで幅広く使用していただきたいという思いで2年前から少しずつ改良と試行錯誤をしてきました。この度、ハンコを新たにして新登場です!

❇安くても少しでも長持ちするように…
これまでのカゼイン接着を終了し、糊漆接着に変換しました。
❇️より気軽に使っていただきたい…
布着せ不要でも充分使用に耐えるよう木部の削りを厚めに残しました。
❇️刷毛の付喪神ハケキツネが並の字に文字バケしました!良く使え(仕え)ますように🙏

特徴

短い毛を最大限に活用し低価格を実現した多目的用刷毛です。

全長は上塗刷毛より短いですが、本通しなので毛板ののこりを気にせずお使いいただけます。

毛固めの漆の量は上塗刷毛の半分強ほど。ほぐしやすいので初心者や急ぎの荒仕事に。

毛板の厚みは仕入れた毛の時期や産地で多少バラつきます。頭からおしりまで厚みがほぼ一定のものができることもあれば、真ん中が厚く最初と最後が薄めになることもあります。ご了承ください。

いずれにしても、刷毛の幅は毛板の真ん中の厚みを基準にして製作しています。最初の毛先が薄く感じても、2回目以降の切り出しからは充分な厚みがでてきますので、厚みの変化も活かして使っていただければ幸いです。

↓ヘリ付け前の断面の様子(サイズ12号)

向いている作業例

✴️木地固めや摺漆などの量仕事、荒仕事

ほぐしやすい反面油や溶剤が染みやすいので、ちょこちょこ使いで頻繁に洗うよりも一度にガーっと毛先が減るほど使ったら使用後は塗料をよくヘラ出しののちは洗わず根本を固めてしまい、次また新しく切り出す、、というようにしていただきますと良い状態で短くなるまでお使いいただけます。


✴️カシューやウレタン塗料の刷毛塗り

カシューやウレタンの刷毛塗りは吹き付け塗装と違い、ほとんど希釈の必要がないので漆刷毛のようなコシのある刷毛が適します。使用後の洗いが難しいので上記の量仕事・荒仕事と同様に、使用後は洗わず固めて切り出すのがおすすめです。


✴️切り出しの練習

刷毛の切り出しの練習台としても活用ください。

漆刷毛に慣れないうちは切り出しが不安で磨耗したままの刷毛をいつまでも使ってしまうかもしれません。どのような毛先の長さ形にすればどんなコシになり思うように塗れるのか、、上塗刷毛を切り出す前に、並通しを練習台にしていろいろ試し、漆刷毛に慣れていただけたら嬉しいです。

注意点

毛板の固めが柔らかいためほぐしやすいという反面、ほぐす前に砥石などで研いで整形・調整することはできません。最初から無理に毛先を調整しようとせず、ほぐしてから刃物で整えていただくことをおすすめします。こちらの仕立て方を参考にしてください。
また、水が染み込むと毛の根元より奥までほぐれてしまう可能性があるため、ほぐす際は水につけず乾叩きしてください。

2回目以降の切り出しで毛先をノコギリで切り落とすときは、毛の根本からギリギリではなく5mm以上は下げて、必ず刷毛を立てて切ってください。

↓毛板が縦になる状態で切ると摩擦が小さくなり毛がバラけにくい。